このレビューはネタバレを含みます
難しいものの、完全に置いてきぼりにはならなかった?と感じてる。
確かに難解だけど、映像のすべてが完全に主人公視点であり、主人公の妄想と現実が入り混じってると考えると、この混沌ぶりはなんとなくわかる気がしてる。
なんとなく思ったのは、ヒロインの服が白い時は基本的に過去、黒の時は基本的に現在ってこと、主人公の視点であるために本当は盛んに動いてるはずの周りの人間が無意味なものに映ってるからこそ立像のように停止していること、監督がカメラを固定している時は絵画を意識していて動かしているときはかなり空間を意識しているということ。
多分監督としては人間を立像のように撮りたかったんだろうなあってのがすごい伝わってくる。
構図やカメラワークや編集が光ってる部分もあるけど、人がごちゃごちゃしすぎてちょっと残念な部分もあるかな。
主人公が言い寄ってくるのを女性が拒絶しきらずに聞いてあげてるのは、そういう誘惑できる素質を自分で理解していてわざと泳がせてるんかなって思った。
これまでもそういった経験があっていろんな男が来るたびに、じゃあ一年後ね、なんていってさっさと忘れるっていうのを楽しみにしてたんかなと。ラストを見る限りだと、その一年後に忘れたそぶりを見せたとしてもサロンから連れ出してくれる人を待ってたっていう風にも思える。
でも本気で全く覚えてないようにも見えてくる時もあるし、さらに引き伸ばそうとしてさっさと関係を絶ちたいようにも見えるからこれだと憶測すぎてあまり納得しきれない。
納得しきれなくてもいいようには作ってあるだろう。