コルノーの映画は肩が凝るのぉとか、『メナース』を観まーすとか、そんな事を言いたいが為にわざわざDVDを買ったわけではないとまず弁明させて頂きたい、あくまで『セリ・ノワール』が面白かったから他はどうなんだって流れである。結果として知的&シブイ作品で、かつてのボキャブラ天国の評価軸に当てはめれば「シブ知」となるだろうが、きっとこのネタが通じる人ははそう多くないと思われるしおっさんである事がバレる、ちなみに俺はバカパク派の芸人が好みであった(どうでもいい)。愛する人に着せられた濡れ衣を自分の方に向ける為に、イブ・モンたんがコツコツと偽装工作を重ねていくお話。この一連の作業がまぁ地味で地味で「早よしてくれんかな?」と鼻くそほじりながら観てしまったが、その分全ての偽装工作が完了してカナダに逃亡して以降は突然『恐怖の報酬』が始まるし、最終盤は『激突!』からの『虫皇帝』(車がビートルってだけです)みたいになるから自分がなんの映画観てたか見失いそうになる。崖からタンクローリー落下→大爆発ドーン!のシーンは否が応にもアガるし、一発勝負であろう撮影をよくぞ成功した!と称賛の声を多数頂いております(たぶん)。最後はアメリカで言えばトランプ支持者みたいなショットガン構えた屈強なトラック野郎にひたすらリンチされるモンたんが哀れでしゃーない、ぺっしゃんこやん、どんまい。正直自分らで殺したわけじゃないんだからそこまでしなくてもいいじゃんって元も子もない感じだが、ジジイ萌え映画としてはなかなかの出来だと思われる。にしてもカロル・ローレ(キャロル・ロール?)めちゃくちゃ可愛いな。