半兵衛

ノックは無用の半兵衛のレビュー・感想・評価

ノックは無用(1952年製作の映画)
3.0
亡き恋人を想いすぎて精神を病みメンヘラどころかサイコパスになった役は溌剌とした笑顔が魅力なマリリン・モンローが演じるとやはり不自然に感じるが、それでもぎこちなさがかえって人の意見に対してすぐに言ってることをコロコロ替える気弱なサイコパスの雰囲気を出していてそれほど悪くなかった。ちなみに笑顔はないけどやっぱりバストは強調してた。

そんな彼女に声をかけてしまったばっかりにとんでもない目に遭う主人公をリチャード・ウィドマークが演じるが、二枚目っぽさが無くて灰皿があるのにタバコをポイ捨てしたりするなど小悪党オーラを出していてただでさえ不穏なドラマを更に不穏に。でもモンローがその素顔を露呈するにつれて優しさと頼りがいのある男前っぷりで彼女を包み、最終的にはアメリカ映画らしい二枚目になって映画を締め括るのが小憎たらしい(褒め言葉)。

ウィドマークと上手くいっていない彼女役のアン・バクスターはそれなりにこなしているがモンローと配役を変更したほうがもっとしっくり来たかも、でもラストの自然な優しさはさすがアカデミー女優賞候補と呼びたくなる上手さ。

それにしてもベビーシッターに言うことをきかないからとひどい目にあわされた少女がトラウマにならないことを祈るばかり、暗闇のなか腕や体を縛られて動けなくされる場面は結構怖い。
半兵衛

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