きよP

ありふれた事件のきよPのレビュー・感想・評価

ありふれた事件(1992年製作の映画)
3.0
息をするように殺人をしていく主人公。何人殺されたかわからないほどで、殺人が生活の一部でありふれた事件になっているのがすごい。撮影していた仲間もいつしか殺人に加担するようになり、タガが外れていく様が気持ち悪かった。フェイクドキュメンタリー作品であるが、不快な気分は増幅する一方だった。ラストでようやくその不快感から解放された。
それはフェイクであることを私自身が忘れてしまうほどリアルだったとも言える。彼と行動を共にした撮影班が彼に飲み込まれたように、見ている間に彼に取り込まれ人の死を何も感じなくなってしまった人もいるだろう。でも私はそうはならなかっただけのこと。向かった方向は違うが、製作者の術にはまってしまったのには変わりがないと思う。
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