ゆう

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のゆうのレビュー・感想・評価

4.8
アメリカに旅行に来たドイツ人カップル。大喧嘩をして砂漠で車から降りたジャスミンは、さびれたモーテル「バグダッド・カフェ」にたどりつく。変人ばかり集まるモーテルは彼女に癒やされ、変わっていき…
というストーリー。

コーリングユーがこの映画の主題歌として世に出たのを初めて知った。昔ホリーコールのコーリングユーが大好きで、よく聴いていた。映画と曲がすごく相性がよくて、なんとも言えない独特の世界観は好み。フランス映画のような趣がある。

ジャスミンの細眉と、豊かなボディーはチャーミング。後半のブーメラン男とはしゃぐジャスミンのスローモーションは、揺れる巨体が美しく輝いて見えるから不思議。押し付けではなく、その魅力で次々に皆と仲良くなっていくジャスミン。ブレンダと仲良くなるまでの過程はたっぷり時間をかけているのもよい。

ラストは、あれ?ミュージカル映画だっけ?って展開なのも面白い。バッハを愛する息子のピアノの腕が急にプロレベルになり、ブレンダが急に抜群の歌唱力を発揮し、ジャスミンの手品の腕も手品セットどころの話じゃなくマジシャン並になり、何もかも都合がよすぎるんだけど、それも含めて全部よいし受け入れられる。

ジャスミンと関わったら、全てハッピーになるのではないかって思ってしまう。幸せの伝道師的な感じ。人を幸せにすることで自分も幸せになるジャスミン。観ていて幸せが伝染してくるようで、気持ちがよかった。

映画を観終わってもう一度ジャケ写を観ると、ジャスミンが勝手に大掃除をしているシーンで、素敵よね~。

この映画は名作とか傑作とかとは違うと思うし、自分でも何でこんなに惹き込まれたのか分からないけど、観終わってポジティブな気持ちになれて大好きな作品になった。

好き嫌い分かれそうだけど、繊細な人間関係を淡々と描く牧歌的な作品が観られる人にオススメできるかな。

こんな映画に出会えるから映画を観るんだな~✨


ゆう

ゆう