yunayuna

恋はデジャ・ブのyunayunaのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
4.3
「明日どうなろうと、
将来どうなろうと、
今は 幸せだ」

私たちは、将来のために 今日というかけがえのない1日をないがしろにして生きていたりする。
でも本当は、必ず来るという保証などないいつかの未来のためにではなく、明日は来ないかもしれない今日を、今を生きることが最も大事なのではないだろうか?


自己的で他者の気持ちなんておかまいなしのフィル(主人公ちょっと嫌な奴パターン)
何がキッカケなのか、2月2日が何度も何度も繰り返されるというループに陥る。
最初は その利点を生かし、自分の欲を満たすためだけに動いていたフィルだが、次第に何度も繰り返される同じ日に、生きていく意味を失い絶望していく。
そもそも、何で繰り返されるか分からないのだから、抜け出す方法も分からない。
死にたくても死ねない。
永遠に終わらないループ。


だが、やがてフィルは気づく。

他人の幸せを、例え今日しか関われない人だとしても(今日しか関われない人だからこそ)、その人が 幸せな気持ちで過ごせるようにと、身を尽くしていく。
どうせ同じ日を繰り返すなら、今日という1日をみんなが幸せな気持ちで在るように、、、
彼の人生観が変わっていく様は、感動的であった。(この辺、ミッション8ミニッツを思い出した)


フィルのように全く同じ日を繰り返すなんて事はありえないだろうが、でも、昨日とさほど変わらぬ毎日を送るというのは、私たちにもありがちだ。
そして、その灰色の日をどう過ごすのかは、自分次第なのだと思った。
どうせ何も変わらない、つまらないとぼやきながら同じような日々を過ごすのか、それともこの日々を、いかにどう楽しんで過ごそうとするのか、、、
つまらないのは、周りの環境や誰かのせいなんかじゃなくて、自分がこの世界を曇ったフィルターを通して見ているから。



私が、この世界をどう見るのかー

全ては自分次第、自分の手に委ねられているんだ。
ピアノを習い始めたり、プロ級の腕前にまで氷像作りに勤しむフィルの姿を通して、そんな事を思った。



フィルの世界を見つめる目が変わった時、フィルの世界もやっとやっと前に進み出す。
さて、私は どんな風にこの私の世界を見つめるだろうか。

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