素晴らしい！古き良き懐かしき大船メロメロメロドラマ万歳！
こういう見所の多い映画が観たいのだ。これぞ映画、これぞ浪漫。
「貴方はいい方だわ。透き通った心で真っ直ぐで。あたくしそれが怖いの。それをわたくし めちゃめちゃにしてしまいそうで…私の心の中には爆弾がいるわ…夜会の時のように、そして今のように」
三枝子の胸にはダイヤが煌めく！グッドタイミングで胸のダイヤが反射し輝いた！これぞ演出の最たるもの！
激しくピアノを弾く三枝子。キャメラは去ってゆく母を捉える。母は…目には一杯の涙を溜め、振り返る。その顔は少し嬉しそうでもある。きっとピアノの烈しい旋律を聴き、娘が芯の強い立派な淑女に成長したこと、過去への後悔、娘への懺悔の気持ち、それらの気持ちが混ざり合い溢れ出た表情と涙だったのだろう。屋敷から遠ざかるにつれ、雪を踏みしめ、寒さをしのぐ母の顔は悲しみの方が強くなっていく。

仮面舞踏会あり、西部劇タッチの演出あり、甘美なラブシーンあり。馬車に修道院、背後の山といい雲といい花束とふたり。構図も美しい！
そして恋愛から民族の違いにまで発展してないか！？場面作り、構図、科白、豪華で嬉しくなる、松竹大船ファンのための映画なり。
これでもかというくらい三枝子の顔顔顔をアップで抜いている！その上目遣いの表情がまた素敵なんだ、魅力的なんだ！