Maoryu002

大脱走のMaoryu002のレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
4.6
第二次世界大戦中のドイツ軍捕虜収容所からの脱走劇を描いた傑作だ。

3時間があっという間に過ぎていく。戦争映画ではあるが、戦闘シーンはないし、特に前半は軽快でコミカルな作りになっている。
まるでゲームのように脱走を繰り返しては独房に入れられ、収容所内では自由だし、ドイツ兵とも仲良くなるし、様々な道具を作って使ってトンネルを掘り進める。
「ショーシャンクの空に」などの脱出映画の元ネタの宝庫だ。

ただ、後半は打って変わって厳しい逃走劇と、無残につかまり殺されていく仲間たちの様子が描かれる。それこそが現実であり、描きたくなくても描かざるを得ない戦争の無残さなんだろう。

スティーブ・マックイーンのバイクでの逃走シーンが有名だが、一番印象に残るのはリーダーのバートレットだ。
脱走作戦を指揮してトンネル作りを進めた時間が「幸せだった」と残して死んでいく。彼を演じたのは「遠すぎた橋」や「ガンジー」で監督のイメージが強いリチャード・アッテンボローだ。

そしてやっぱりスティーブ・マックイーン。しかたないけどマックイーンはずば抜けてかっこ良すぎる。
ただ、同じ独房のマックイーンでも「パピヨン」の地獄絵とは大違いだ。

その他、生き残るジェームズ・コバーンやチャールズ・ブロンソン、ジェームズ・ガーナーなど、非常に豪華な捕虜の面々だった。

ある意味、歴史に残る戦争映画と言えるだろう。
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