松井

大脱走の松井のレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
4.0
『難攻不落のドイツの収容所から250人の捕虜が緻密な戦術を練り、脱出を企てる実話』

予備知識として捕虜は囚人とは違うので強制労働などの義務はなく、収容所内でもある程度の自由が許される。例えば脱走して捕まっても、軍人であることが証明できれば処刑されるようなことはない。


ドイツの収容所と聞けば、どうしても多くのユダヤ人が虐殺された強制収容所の悲惨な光景を思い浮かべてしまうが、捕虜の収容所は全く別物だと考えていい。さらに捕虜の脱走は囚人の脱獄とは違うということも、頭に入れておくべきだろう。


そういう背景もあり、有名な『大脱走のマーチ』の曲の効果で暗いはずの戦争が明るい雰囲気を漂わせている。


大脱走の為に捕虜が魅せるチームワークがゲーム感覚に似ていて見ていて楽しい。例え失敗してもコンテニューできる。


後半もあらゆる乗り物を駆使して逃走経路を企てる様子は見応えがあった。特にバイクのシーンは爽快でカッコいい。



登場人物が多い中、個性豊かなキャラクターが引き立っており群像劇としても楽しませてくれる名作。
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