ボブおじさん

サタデー・ナイト・フィーバーのボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.6
トム・クルーズに「トップガン」があるように、キアヌ・リーブスに「スピード」があるように、シルヴェスター・スタローンに「ロッキー」があるように、ジョン・トラボルタには「サタデー・ナイト・フィーバー」がある😊

当時社会現象になるほど話題となった青春ディスコムービー〝土曜の夜はフィーバーしようぜ〟をキャッチコピーに瞬く間に日本にディスコブームを作り出した。

当時中学生だった私もブームに乗って劇場鑑賞した。ディスコには行かなかったが、映画を観た後〝フィーバー〟という言葉はやたらと使っていたような気がする😊

〝フィーバー〟と言えばパチンコを思い浮かべる人もいるだろうが、日本にこの言葉を定着させたのは間違いなくこの映画だ。

70年代後半まだ地下鉄も汚く治安も悪い労働者の町ブルックリン。格差社会、貧困家庭のループなど当時のアメリカ社会を背景に、ペンキ屋の店員として退屈な日々を送っていた主人公は、土曜の夜に通うディスコで日々の鬱憤を晴らしていた。そこは彼が唯一輝ける場所だった。

髪も整え全身を白のスリーピースでビシッと決めたトラボルタが、ビージーズのディスコミュージックをバックにセクシーに踊りまくる。

後半の展開など映画としての出来は、決していいとは言えない。だが「ロッキー」に続き1本の映画が1人の若者をスターに押し上げる瞬間を目の当たりにした。

映画は間違いなく、その時代を反映する。そして時に、1本の映画が時代を作ることもある。

公開時に劇場鑑賞した映画を動画配信にて再視聴。


〈余談ですが〉
この映画と次に作られた「グリース」の大ヒットでトラボルタは一躍スターの仲間入りを果たした。

ところがこの映画の続編にあたる主演作「ステイン・アライブ」が大不評となり、その後も作品に恵まれず30代にしてすでに〝過去の人〟となってしまった。

1980年にポール・シュレイダー監督の「アメリカン・ジゴロ」の主演の話もあったが、母親の病気などの理由で断ったらしい。代わりに選ばれたリチャード・ギアは、これを足がかりに主演した次回作「愛と青春の旅立ち」が大ヒット。たちまちトラボルタとの立場は逆転した😢

その後、十数年に及ぶ長い低迷期が続きトラボルタの名前を聞くことも少なくなり,世間も自分もすっかり彼のことを忘れかけられていた時、あの伝説的な映画で彼はみごとな復活を果たすのだが、それはまた別の話😊