日向日向

サタデー・ナイト・フィーバーの日向日向のレビュー・感想・評価

4.5
土曜の夜は踊りましょう?

実は観てなかったシリーズ①
見聞する限りは、踊りに溢れた単純で明朗な映画かと思っていたが、それは大きな間違いだった。
この作品は、大人になりたくてもなかなかなれないトニーという1人の人間が耐え難い現実に足掻き、悶える映画なのだから。

踊りに青春を費やすトニーは、とある女性に出会うわけだ。その女性は、トニーとは対照的な生き方を貫いている。明確な目的を持って行動し、先を見据えて一貫した人生を送っていて、後悔ないように描写されている。
だが、彼の劣悪な環境と正反対なはずなのに、彼女こそ大人になりきれていない。
それが、互いの突き放したり、寄り添ったりの関係性に現れているのだ。

陽気なディスコミュージックから繰り出されるダンシングムービーかと思いきや、大人になるとは何か、そのために何ができ、すべきなのかをストレートに伝えてくれる作品だった。
ちょうど進路選択の時期に差し掛かった自分には非常に強く心に突き刺さる作品だった。
日向日向

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