うべどうろ

ボーイ・ミーツ・ガールのうべどうろのレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
3.1
 カラックスの、アレックス三部作の最初。やはり初期の作品ということだけあって、全体的な完成度はやや低く、会話で済まされる長いシーンに少し嫌気がさしてしまった。その一方で、映像的にはとてつもなく美しいカットがあって、例えばガラスの部屋、ダンスを踊るフランシス、橋の上のアレックス、そしてボウイの曲とのマッチング!そういう全てが芸術的で、とてもとても心地よい。
 それだけに、もっとこういうシーンが見たいと思ってしまう。きっとカラックスもそういう意図があったのだろう。「汚れた血」「ポンヌフの恋人」と続くなか、芸術的なカットへと作品の比重は傾いていく。僕はやはりポンヌフ>汚れた血>ボーイ・ミーツ・ガールの順で好きだった。映画的な進化を感じられた気がしたからかもしれない。
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