シモン

イエスマン “YES”は人生のパスワードのシモンのレビュー・感想・評価

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ゾーイやっぱかわいいな
初めて映画見た時に恋したの覚えてる笑

ジムキャリーは、彼以外じゃありえないと思えるぐらいキャラにフィットしてた

映画を通して12モンキーズやファイトクラブ、ウォンテッド的な陰謀臭さを感じるのは自分だけかな
途中テロと間違えられてるしね


▼ネタバレあり
一つの教え(宗教)に縛られて偏執的になるのではなく、あらゆること(イエス・ノーの両方)に開放的に(メイビーと言えるように)なってお互いに理解し合えるようになること。
それは共通の愛国心さえ持っていればできるはず


何事にも否定的になり「ノー」と言い続け自分の本心に蓋をしてきたカールは、「イエス」という救いの魔法の言葉を得ることで、自分の本心を隠すことを正当化し始める。しかし、徐々にそれによって自分の気持ちどころか相手の気持ちさえも理解しようとしていないことに気づいていく

旅行の帰りにテロリストと間違われたのも、他人の指示に一方的に「イエス」と従ってしまうという偏った側面からだろう

パーティーでレッドブルを飲みまくるのも「翼を授ける」と言う名の限界突破、つまり無理をしていることを表している。

アリソンがボーカルを務めるバンドの名前「ミュンヒハウゼン症候群」は、他者の関心や同情を引くために故意に病気を装って自分自身の身体を傷付ける病気のことで、
カール自身が無理に「イエス」と言い続けて自分を意図的に傷つけている行為とつながる。

相手を理解しようとしないという見方については、
婚活をしているイラン人のファラヌーシュに対して、「打算はお互い承知だ。もともとタイプじゃないし」と言って邪険に扱う。
これはキリスト教徒のイスラム教徒に対する扱いを指してるのかな


“Yes”はYeshua(キリスト)のメタファーのように感じる。

Say Yes to Jesus Christ(キリストを受け入れる)という文句があるように、「イエスセミナー」でもイエスと言うことを大事にする。

上司のノームが作った“Bro”と“Joseph”を組み合わせて“Broseph”という言葉は、キリスト教のことを皮肉っているように感じる。

「十字架にはりつけにされたイエスキリスト」をバカにするかたちで、映画のポスターもジムキャリーが両手を広げてキリストを真似ている。

他にも、
モルモン教(末日聖徒イエス キリスト教会)の勧誘も歓迎するシーンが出てきたりもする。
※モルモン教の教えはかなり偏っていて、架空の私小説に基づく19世紀のアメリカの世界覇権の自負心に由来するらしい


一方で、
この映画において唯一アリソンは中立的で、「メイビー」という言葉を多用する。
そしてバンドのライブでアメリカの国歌を演奏する。

彼女は、特定の宗教を信じるのではなく、無宗教でもアメリカという国に対する愛国心さえあれば、自尊心(自信)を持てるということを教えてくれる。


アリソンと2人で旅行しに行ったネブラスカ(タカ派の共和党支持者の多い州)から帰るときに突然警察から尋問を受ける。

警察「祖国を恨んでいるか?」
カール「なんだって?」
警察「アメリカが嫌いか?」
カール「とんでもない」
警察「ではなぜテロ計画を?」

ここでもカールは愛国心を問われる。

(別の見方では、民主党勢力のカリフォルニアロサンゼルスから来た男を、テロリストと間違えるほどに共和党勢力は強硬派であると皮肉っているようにも聞こえる)

こうして、カールは一つの教えを信じるのではなく、最終的には愛国心を持ってあらゆることに開放的になっていく。

コスチュームパーティーが、ハリーポッターというマグルと魔法使いの分断の映画から、300という愛と団結の映画へと変わったように。

他にもソウの映画や、グーニーズのポスターが出てくるのが分断と団結を意識しているように感じられる。
シモン

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