ケンヤム

柔道龍虎房のケンヤムのレビュー・感想・評価

柔道龍虎房(2004年製作の映画)
5.0
転んでも転んでも立ち上がる人たちの話。
柔道という競技は、まさにそういう競技で「転んでも立ち上がる」というメッセージをアクションとして表すのにぴったりな競技は柔道の他にはない。

打ちのめされて打ちのめされて打ちのめされ尽くしても、靴を拾ってくれる仲間がいれば前に進める。
風船を取るために黙って肩車してくれる仲間さえいれば、前に進める。

映画は「今その瞬間」を表現できる。
未来のことばかり語りたがる現代では、今が置き去りにされている。
友達とくだらないことしてる今が。
働いて汗を流してる今が。
一緒にいて楽しい人と飯食ってる今が。
一生懸命映画の話してたらあっというまに時間が経ってる今が。
全て置き去りにされてる。
今を置き去りにする人は、仲間の靴が脱げてもその靴を置き去りにするだろう。
私は、隣の人の靴が脱げたらすぐ気づいて、取りに行けるような人間でいたい。

「これからどうする?」
なんてことを友達と語り合う必要なんてない。
友達が夢を追って、台湾から日本に渡ると言うなら、そいつの考えがどんなに浅はかだろうと体を張って送り出すのが友達だ。
そこに過去も未来も関係ない。
ただ前に進むんだという今があるんだと思う。

やっぱ大好きな映画のことになるとレビューが自分語りみたいになって身体がむず痒い。
じんましん出そう。
「映画は人を饒舌にさせる」と四方田さんが言ってたけど、その饒舌になってる自分を客観的に見ちゃうとすごく恥ずかしい。

あー、なんかこういうこと書いてるの恥ずかしくなってきた。
なんでだろ。
誰かに読まれてる気がするからかな。
まぁいいや、これからも書きます。
ケンヤム

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