りっく

幸福のりっくのレビュー・感想・評価

幸福(1981年製作の映画)
4.0
銀残しという手法を用い、グレーがかった世界観を構築。現代劇でありながらも、どこか異世界に引きづり込まれるような面白さがある。

本筋はミステリー推理ものではあるが、仕事を言い訳に家庭を顧みなかったため妻に逃げられた水谷豊と、恋人が射殺された事件を担当する永島敏行のキャラクターから、現代における幸福の姿を突き詰めた家庭劇でもある。

推理ものとしてはミスリードがあってからの真相発覚が淡泊なのがやや難ありだが、父親とは何かという普遍的なテーマに落とし込んでいる点に好感が持てる。
りっく

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