りっくさんの映画レビュー・感想・評価

りっく

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キングダム(2019年製作の映画)

4.0

場面転換でのワイプ、ロングショットの多用、クリーチャー造形、大河ドラマ的な世界観など、スターウォーズやロードオブザリングといった作品からの影響をビシビシ感じる(橋本環奈演じるキャラクターの立ち位置はR>>続きを読む

ハードコアの夜(1979年製作の映画)

3.5

自身がキリスト教カルヴァン派である厳格な家庭で育ったポールシュレイダーがメガホンを取った本作は、堕落した俗世に足を踏み入れる怒れる父親が失踪した娘を助け出す物語だが、現在であればリーアムニーソンがうっ>>続きを読む

多十郎殉愛記(2019年製作の映画)

3.0

伊藤大輔に捧げられた本作は、殺陣の所作ではなく、殺陣の陣形や立ち回るダイナミックなアクションで物語を動かそうとする活動屋・中島貞夫の思いが込められた一作。正統派時代劇の灯を消さないようにという気概が静>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

4.2

青年が走る姿で幕が開き、足を止めたところで幕を下ろす本作は、主演の青年の力強い歩みが観る者の心を終始揺さぶり続ける過酷なロードムービーだ。

彼が旅路で出会う人々は、そこでしか身動きが取れなくなってし
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.0

アメリカ対ロシアという単純な図式から、ロシア国内のクーデターが発覚し、その図式が信頼関係によって変容していく様が熱いドラマを生み出す。ジェラルドバトラーが部下だけでなく、敵国の艦長や大統領までも惚れさ>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.4

映画の都ハリウッドへ向かう高速道路の渋滞。まるで夢の順番待ちをするかのような光景から、圧巻のミュージカルシーン、そしてここぞ!という絶妙なタイミングでバシッとタイトルクレジットが表示される冒頭でまず心>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.5

サーカス団率いる実在のショーマンを描いた本作のテーマは多様性である。肌の色や異形の存在(フリークス)として社会から虐げられていた者たちをユニークと称し、晴れ舞台で自己の存在を公に示し尊厳を獲得する。そ>>続きを読む

スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

4.2

本作が同シリーズの過去作と明らかに異なる点は、まず正義や善悪といった大それた大義名分を振りかざすことなく、そしてその大義名分を常に背負っているアベンジャーズやトニースタークと距離を取り、迎合できない部>>続きを読む

亜人(2017年製作の映画)

3.7

亜人とは何か。痛みは感じるが死んだらリセットされ何度でも生き返られるが、自分で命を絶つ前に麻酔銃で眠らせて捕えることができれば勝機はある。SF的な設定をまず単純明快にルール付けをし、さらに亜人が人類に>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.2

娘が失踪したシングルファーザーが自ら孤軍奮闘するミステリー。事件の真相には特段驚きはないが、真相へのアプローチの仕方がすこぶる面白い。

特に若い世代ではなく、その親も悩む暇があったらキーボード上で休
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.3

ゾンビ映画、映画内映画という構造を最大限生かしつつ、映画作り、モノづくりへの執念、底力、情熱が手触りとしてしっかりと伝わってくる、それでいて滑稽さや可愛らしさもある、素晴らしい作品。粗ばかりではあるも>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.4

ジュラシックワールドに取り残された恐竜たち。施設内の活火山の活動が活発化してきたため、恐竜たちを移動して保護するのか、それとも自然の驚異のまま人間は手を下さず、神の意志に任せるのか。ここで政府は一切恐>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

3.5

いわゆる「万引き」という犯罪で繋がった疑似家族の話であり、相変わらずの子役演出の上手さも含め、是枝監督作品の集大成的でもあり、言い換えれば既視感たっぷりの内容ではあるが、おそらくそれを是枝監督も自覚し>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.5

決められたレールから外れようとするカッコよさ。自分は周囲と違う存在だとあえて奇抜な行動に出る自意識。自分では選択できない家庭環境や住んでいる街を呪い、その退屈さから何とか外に出ようとする焦り。友達や彼>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.2

まず、ジャンルの枠に囚われず常に革新的な音楽を作り続けたクイーンのアイデアと趣向に惹きつけられる。あの名曲が誕生するきっかけや舞台裏を覗けるだけでも、カタログ的な紹介ではあるが楽しい。

だが、何故ク
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バイス(2018年製作の映画)

3.9

チェイニーは大きな魚がかかるまでじっと待つような寡黙でしたたかな男だ。アメリカを揺るがした9.11で誰もが不安と恐怖と混乱に陥る中で、彼だけは遂にきたチャンスだと何食わぬ顔で思いっきりリールを巻き上げ>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.5

控え目に言ってもアニメーション映画史に残る傑作。パラレルワールドにより複数のスパイダーマンが登場する本作は、ソニーピクチャーズ製のアニメーションのタッチがベースにありつつも、スパイダーマンが描かれたコ>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.3

本作はフィクションでありながらも、冒頭から第四の壁をぶち壊して人種差別主義者がまくし立て、「風と共に去りぬ」「國民の創生」といった映画史に残る作品を黒人の視点からメスを入れ、フィクションの世界から飛び>>続きを読む

洗骨(2018年製作の映画)

4.2

風葬という風習から棺桶に膝を抱えるような体勢で入れられた母親の遺体と、産まれそうなほど大きく膨れ上がった娘のお腹。序盤から似たようなシルエットが意識的に描かれ、ラストの頭蓋骨と赤ん坊が対峙する見事な構>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.0

ブリーラーソン演じる武骨な最強ヒーローと、サミュエルLジャクソン演じる地球人として真っ当な感覚を持っているシールド所属の男との軽快なコンビネーションで進む本作は、いわゆるマーベルユニバース、アベンジャ>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.0

オペレーター室で全編が展開する本作は、電話口からの声や音など外部からの情報が限られているが故に、繰り広げられている光景を瞬時に脳内で想像し、状況を好転させるべく動かなければならないサスペンスが軸となる>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.0

ウズベキスタンという異国の地で前田敦子を中心とした番組クルーがネタ探しに奔走する物語は、黒沢清のかじ取りで、街全体を迷宮に見立てた追う追われるのサスペンス、さらには「サウンドオブミュージック」を彷彿と>>続きを読む

ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

4.0

両親を亡くした4人の子供たちが葬式で出会う。無感情なまさに恐るべき子供たちは、まるでロールプレイングゲームの中で無機質なキャラクターとして操作されているかの如き厭世観と主体性の欠如である。

そんな世
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.5

ひとりの少年の心の揺らぎを丹念に追うことで、ミニマムな視点から世界を描こうとするドキュメンタリーのようなアプローチと、子供たちの生の感情を引き出そうとする距離は是枝裕和に通ずるものがあるかもしれない。>>続きを読む

君は月夜に光り輝く(2019年製作の映画)

2.5

永野芽衣のパシリと化す北村匠海が完全に受けの芝居のみとなっており、演技的にボールを永野芽衣に投げ返さないので、勝手に人生を悲観的に捉えていた永野芽衣が、人生を肯定的に捉えるきっかけが分からず、非常に閉>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

冒頭の水溜まりから、破水、さらには海と、水のイメージをモノクロで重ねつつ、無機質な死と有機的な生。男に頼らず生きていく女性たちの寄り添いを、一定の距離間で傍観するかの如し。

キュアロンの私的映画であ
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運び屋(2018年製作の映画)

4.5

もはや凄みは影を潜め、高齢により皮と骨が目立つようになったイーストウッド。そんな自らの老いにシンクロするかのように、本作は一切の贅肉をそぎ落とし、まるで枯山水のような映画話法の境地に達したような感さえ>>続きを読む

沈丁花(1966年製作の映画)

3.8

父親が死んで歯科医院を継いだ長女の京マチ子、次女の司葉子。既婚で子持ちの三女の団令子。婚約が決まった四女の星由里子。まずこの四人が高峰秀子の衣装監修のうえ美しい着物姿で横一線で歩いていく冒頭から心躍る>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.6

冒頭でエクスキューズとして原作者が改めて本作はフィクションであることを強調するものの、東京民から迫害され差別される埼玉民の構図は、部落問題やホロコーストさえ連想され少し驚く。ただしそれをひたすら劇画調>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.4

人種問題の描き方についてクローズアップされている本作だが、物語の本筋は立場も性格も正反対の男のバディものであり、行って帰ってくる過程で様々な体験をし、元の場所がまた違ったように見えてくるロードムービー>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.3

本作はまず兄妹を足元から映し出す。片足を引きずりながら歩みを進める兄と、段ボールで日光を遮断した室内に鎖で繋がれる妹。あるいは地べたに這いつくばって土下座し、砂浜で元雇用者にもみ合いになる。この最底辺>>続きを読む

あの日々の話(2018年製作の映画)

4.2

三浦大輔の戯曲から着想を得た玉田企画の舞台原作。カラオケルームという密室で繰り広げられる、あるサークルの一夜の物語。同調圧力の中でマウントを取り合う先輩後輩。誰をお持ち帰りできるかという男女のチーム戦>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.7

「トータル・リコール」「A.I.」「ローラーボール」といった先行したSF映画の世界観やキャラクター造形に既視感はあるものの、本作が突出しているのはアリータの独特の実在感だろう。脳だけは傷つかずに捨てら>>続きを読む

パドルトン(2019年製作の映画)

3.4

ガンで余命宣告を受けた階下の親友の安楽死を幇助することになる男とのバディもの。

巨大な壁に向けてテニスボールを打ち、跳ね返った球がドラム缶に入れば成功というスポーツや、誰にも知られていないカンフー映
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半世界(2018年製作の映画)

4.0

田舎の家屋での場面も、扉の開け閉めや敷居をまたぐというさりげない描写で登場人物の心情を表現する巧みな描写は見事。特に北海道から戻ってきた長谷川博己の家に稲垣吾郎が手伝いに行き、話しかけようとすると雨戸>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.4

英国王室を舞台にした豪華絢爛なコスチューム劇の様相を見せる本作は、ランティモスの手にかかれば一筋縄で行くはずもない。魚眼レンズによって効果的に映し出される閉鎖的で歪んだ世界は、支配欲、性欲、承認欲とい>>続きを読む

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