りっくさんの映画レビュー・感想・評価

りっく

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スマッシング・マシーン(2025年製作の映画)

3.6

本作は一見するとドウェイン・ジョンソンの役作りも含め「肉体」の映画だと思われがちだが、そんな鍛え上げられた肉体にカモフラージュされた「精神」の物語だ。それはスポーツマンシップという高尚なものでも、格闘>>続きを読む

マテリアリスト 結婚の条件(2025年製作の映画)

3.8

おそらく人類で初めて夫婦となった原始人が映し出されてから現代のニューヨークへとジャンプカットする冒頭から呆気にとられる。この導入によって、その後男と女が結婚するというゴールがいかに途方もない堂々巡りの>>続きを読む

ランニング・マン(2025年製作の映画)

2.8

要所要所で俳優のアクションと音楽が融合するらしいシークエンスはあるものの、エドガー・ライトらしからぬ凡作。

デス・ゲームから生き残るという一直線構造ながらも疾走感が感じられないのは、社会的な弱者が権
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免許返納!?(2026年製作の映画)

3.1

『終わった人』『帰ってきたあぶない刑事』など、近年の舘ひろしは自分の老いに対して、メタ的に自虐するような作品やキャラクターを演じ、ダンディでクールという自らのセルフイメージを更新しようとしている。そん>>続きを読む

我々は宇宙人(2026年製作の映画)

4.5

まさに劇中の少年のように、コラショの目覚まし時計で起床し、ブラウン管のテレビでパワプロに興じていた身にとっては、至るところに配置された記憶装置と、あまりにも解像度の高い少年時代の細やかな描写の積み重ね>>続きを読む

オデュッセイア(2026年製作の映画)

4.0

映画は時間を如何様にも操ることができる。そんな時間芸術としての映画の極北を独走し続ける、カツドウ屋精神を持ち合わせたハッタリ誇大妄想家、クリストファー・ノーラン。

だが、本作での彼のアプローチはむし
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オブセッション 災愛(2025年製作の映画)

4.2

「相手が自分のことを好きになりますように」という魔法や願いを、今まで幾多のフィクション作品で描いてきたが、本作は冒頭で店員相手に告白の練習をする青年の姿を映し出すことでまずは観客に若干の嫌悪感や不快感>>続きを読む

さとこはいつも(2026年製作の映画)

4.1

映画における恋のはじまりのシチュエーションは、今まで数えきれないほど描かれてきているが、こんな面白おかしい描き方があったかと冒頭から沖田修一の着眼点に頬が緩む。アレルギー性鼻炎を治療するために通院して>>続きを読む

ストロベリームーン 余命半年の恋(2025年製作の映画)

2.8

冒頭から横断歩道のシーンから交通ルールを学ぶための模擬横断歩道へのシーン、あるいは教室のシーンと学校生活を模した家庭内のシーンへの滑らかなつなぎが表明する通り、本作はか弱い・初心な・奥手な思春期の少年>>続きを読む

戦場0地点(2025年製作の映画)

3.8

前作の傑作ドキュメンタリー『マリウポリの20日間』に続き、現在進行中のロシアとの戦争をウクライナ側から同監督が撮影した一作。攻撃や偵察のためにドローンを駆使し、指令室から遠隔で爆撃や状況を把握する近代>>続きを読む

ヒンド・ラジャブの声(2025年製作の映画)

4.0

電話での会話しか情報を収集する手立てがなく、それが銃殺された親戚が車内にいる中で混乱している幼稚園児のたどたどしい言葉のみという状況という限定的なシチュエーションものであり、実際の電話の音声やその電話>>続きを読む

ルックバック(2026年製作の映画)

4.0

本作は「尊さ」で満ち溢れている。それは二人の子役と出口夏希・蒔田彩珠のフレッシュな輝きであり、青春という有限な時間そのものであり、無から有を生み出す創作者という存在であり、好きであることを続ける行為で>>続きを読む

左利きの少女(2025年製作の映画)

4.5

ショーン・ベイカーと長年コンビを組んできたツォウ・シーチンの単独監督デビュー作は、彼との共同監督作であり傑作『テイクアウト』と通ずる香港の夜市というコミュニティとそこに息づくキャラクター(特にジョニー>>続きを読む

ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?(2026年製作の映画)

4.5

「野火」から続いている塚本晋也による戦争映画の中で、本作は群を抜いている。悪い意味で安っぽい映像から、まるで70年代のアメリカ映画を見ているかのような臨場感あるルックと、ここまで一人の男の心の起伏を容>>続きを読む

映画ちいかわ 人魚の島のひみつ(2026年製作の映画)

3.5

カワイイが溢れる世界観の中で繰り広げられるダークファンタジー。支配と搾取といった権力構造、永遠に対する飽くなき欲望といった、この社会で普遍的なものを、おとぎ話という形でデフォルメやカリカチュアするので>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.7

冒頭のほとんど見分けがつかない制服姿のかしましい女子たちが、数カ月後には暗さを帯びた表情になる。自分が何者かつかめない20代初頭の「停滞時間」ともいうべき日々を描いた本作は、安易な希望に逃げない厳しさ>>続きを読む

プリンス・オブ・ブロードウェイ(2008年製作の映画)

4.1

いきなり我が子か疑わしい赤ん坊を預けられた黒人青年のコメディ調ではあるが、あくまでも主人公の言動を茶化して笑わそうとさせるのではなく、彼の心情に寄り添おうとするショーン・ベイカーの優しい眼差しが印象。>>続きを読む

テイクアウト(2004年製作の映画)

3.8

徹底したソーシャルリアリズムのスタイルで、マンハッタンに暮らす移民たちの厳しい日々を浮き彫りにする一作。借金の利息が倍増することを阻止するため、1日でお金をかき集めないといけない妻子持ちの男が、配達員>>続きを読む

フォー・レター・ワーズ(2000年製作の映画)

3.5

お開きになったパーティーのダラダラした延長戦のような一作だが、ボンクラ青年たちの会話は深夜の変なテンションも相まってしょーもなくて良き。まるでリンクレイター作品を見ているかのような若干の多幸感や朝が来>>続きを読む

ホウセンカ(2025年製作の映画)

4.1

アニメ「オッドタクシー」やドラマ「シナントロープ」といったノワール群像劇の傑作を生み出す脚本家が描いたミニマムな一作は、裏稼業の寡黙な男を主人公としながらも、自身と引き換えに守ろうとした不器用なりの愛>>続きを読む

旅と日々(2025年製作の映画)

4.1

家族や友人と決まりきった観光コースを巡る「旅行」ではなく、美しさと厳しさを孕んだ日本の原風景の中で、孤独を身にまとった不器用な人間同士が拙い言葉を交わす。分かりやすい「楽しい」ではなく、「寂しさ」「悲>>続きを読む

オークストリートの異変(2026年製作の映画)

4.1

改めて80年代アメリカ映画は最高!と感じさせる快作。画一的な郊外の庭付きのマイホーム、そこで暮らす不仲の夫婦という序盤だけで、スピルバーグ印を感じなくもない。加えて、前作「アンダー・ザ・シルバーレイク>>続きを読む

開戦前夜(2026年製作の映画)

4.0

既にNHKドラマ版を視聴しているため、初見時の感慨は薄れるものの、それでも「模擬内閣」という視点の面白さと、その「ごっこ遊び」が本物の内閣のほうに転じていく構成の見事さ、さらには戦争責任の所在を個人に>>続きを読む

時には懺悔を(2026年製作の映画)

4.3

中島哲也が久しぶりに東宝から離れて映画を製作したことも多少は影響したのであろうか。CMディレクター時代から一貫した作家性として認識されてきた代名詞の「ポップさ」を一切廃した演出に戸惑いつつも、その「ポ>>続きを読む

私はあなたを知らない、(2026年製作の映画)

3.9

中野量太監督作品で最も好きなのは「湯を沸かすほどの熱い愛」だが、本作はフランス資本も入ったこと影響もあるのだろうか、撮影・演出の緻密さと何と言っても最初と最後にタイトルが出るタイミングの完璧さ等々、間>>続きを読む

ロングウォーク(2025年製作の映画)

3.5

本作を見ていて連想したのは、シドニー・ポラック監督によるアメリカン・ニューシネマの大傑作「ひとりぼっちの青春」だ。賞金を賭けて何日も不眠不休で踊り続けるダンスマラソンと、ひたすら歩き続けるロングウォー>>続きを読む

風のマジム(2025年製作の映画)

3.5

派遣社員に対する上司のやり取り等、沖縄の田舎という設定ではありながらステレオタイプな描写が満載ではあるものの、そんな中でも理想を目指して行動していく伊藤沙莉力と、純粋に沖縄産のラム酒が完成する姿が見た>>続きを読む