似太郎

2/デュオの似太郎のレビュー・感想・評価

2/デュオ(1997年製作の映画)
3.5
【公衆便所みたいな映画】

ゴダールだかカサヴェテスだか知らないが、こういう蓮實直系のシネフィル的に武装した作風にはチョ〜苦手意識があり本作を観る限り監督の諏訪敦彦とはウマが合わないと判断した。いったい誰に向けて作られた映画なんだ?

フィクションとノンフィクションの垣根を超えごちゃ混ぜにさせた構成は寺山修司作品や松本俊夫の『薔薇の葬列』がすでにやっている事で、過去のATG映画の焼き直しみたいな雰囲気が濃厚である。

個人的に苦手な俳優、西島秀俊の俺様ぶりが鼻につきスーパーエゴイスト丸出しな主人公と同居人の彼女との距離感に何らかの「作為」を感じる。こんな映画わざわざ金を払って観る代物じゃない。幼稚の一言。

他人は他人で俺は俺。そういった傲慢な意識下で暮らす貧乏カップルの日常なんてわざわざ映画で観ようと思わない。せいぜい辻仁成の小説レベルの人間描写/掘り下げ方で大いに失望する一作。

ちなみに同監督の『M/OTHER』は未見。
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