ギガゴ

こころのギガゴのレビュー・感想・評価

こころ(1955年製作の映画)
3.0
もっと早く死ぬべきだのになぜ今まで生きていたのだろう

高校の教科書から「こころ」が消えたと聞いた。「山月記」も無いらしい。
今の高校生たちは、自分の仄暗い気持ちが普遍的なものであるという事実に触れる機会が少なくなってしまったのではないか。

2022年、小中高生の自殺者数は過去最多という。
それは著名人の自殺によるウェルテル効果と言う人もいるけれど、現代文が好きな身としては文学作品の影響もあるのではないか、と思ってしまう。

「若きウェルテルの悩み」や「こころ」を暗い気分の時に1人で読むのと、学校の授業でその内容を皆で話し合いながら読みといていくのとでは、受け止め方が違う。決して自殺推進の作品では無い。むしろ、自殺へと精神的に追い詰められる人物を俯瞰して、自身ならどうするか、と考えさせる作品だ。ウェルテル効果を防ぐためにも、そう教えるのが学校の役目ではないのだろうか。今の学校は何を教えているのだろうか。現代教育の是非を問いたい訳ではなく、純粋に疑問に思う。

長々と映画と無関係の話をした。
映画は見やすくまとまっていて、さらっと見れた。
活字の方が深みがあって好みだが、だからこそ思考させる場面は映画でも文字だけなのだろうと感じた。
動く映像は素晴らしいが、文字・言葉には、力がある。
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