嵯峨

ゲド戦記の嵯峨のネタバレレビュー・内容・結末

ゲド戦記(2006年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

評判良く無いとは聞いてたけど思ってた以上に酷かった。
多分十代の漠然とした死生観的なのテーマなんだろうけどあまりにも色々説明不足だったり、多分説明不足すぎて伏線的な「何か」が全く回収されてなかったりして・・・ダメでした。原作読んだらわかんのかな、いやーそこまでしてなくてどうもすみませんって感じでした。

とにかく本当に漠然となんか死にたそうなアレンくんが主人公なわけなんすけど、まあ確かに10代とかだとそういう時期があるのもわかるんだけど、まあ親父殺害してスタートなもんだからこれが非常に感情移入しづらいんすよね。10代って死にたくなるよね!!っていうのはわかるんだけど、やっぱ映画で突然それ見させられるとそこに至るプロセスが欲しくなる・・・のは私だけ?明らかになんか過去にあった感じがすんだけど何も描かれないと。だって、親父殺すって相当だと思うんだけど本当に結構謎なんすよね。
まあいつか明かされるんだろうと思い、ずっと見てるんすけど結構彼が謎のまま話は進んでくし、しかも割と会話も「均衡」だの「真の名」なんてすげえ概念的なこと話されるんでずっとピンとこないんすよね。
でこのアレン君なんすけど本当に何かに怯えたり、時にはすげえ好戦的になったりと・・・確かに10代の不安とかそういうの描いてるというのはわかる、わかるんだけどあまりにもオーヴァーに描かれるので統合が失調してるようにしか見えないし、なんか途中で幻覚っぽいの見るし、「あーそういう話?」ってなっちゃいました。
せめて、彼の過去何があったかという回想が欲しいし、「お回想タイムか?」ってなるところで出てくるのは「トリ・・・」っていうね。これ最後まで見ても回収されないし、よくわからないと。まさかあの大賢人のこと?って思うけどそこで挿入される意味もよくわからないし。

まあなんだかんだあって大蛇丸っぽい奴に拉致されて、本当に「死生観」の話になるんだけど・・・なんで?っていう。この映画一番酷いのは「死生観」なんて大きいテーマ取り上げてる割にはほとんど何かが死ぬっていうシーンがなくて(最初に親父殺されるところぐらい?)、「死」を考えさせるってこともないし、まあ前述の通りアレンがなんでそんな「死」を考えてるのかもよくわからない。

もう挙げてくとキリがないぐらい一つ一つの描写に対して見てる人を納得させるような何かが基本的にはほとんどないから「急に龍出てきたな〜」とか「急にこの女の子、死生観語り出したな〜」とか「急に龍になったな〜」とかもう色々わけわからないんすよね。ていうか「真の名」ってなんだとか。
でセリフも漠然としてるし、描写も結構漠然としてるし、もうよくわからないんすよね。

「世界の均衡」の話もどっか行ってるし、何より許せないのがガチで「なんとなく」とかいう理由で親父を殺した人間が最後めっちゃ清々しいんすよね。これ酷い・・・。いや「死生観」持ち出しておいてこれはないだろうと思うんすけど、これ好意的に見ても監督が偉大な父から独立して自分自身のアイデンティティをこの作品で得てる(直接的な表現は避けました)って感じなのかと思っちゃいました。いや、それにしても物語上辿ると酷いんだけど。

もう風景も基本草原で地味だし、結構思ってた以上にアレだなあと感じました。今週はなんかこういう映画を見がちなので避けていきたいです。
嵯峨

嵯峨