オ

ゲド戦記のオのレビュー・感想・評価

ゲド戦記(2006年製作の映画)
2.7
観たことなかった(というかテレビ放送時に寝落ちしてしまった)ので改めて鑑賞
してみたけど

純粋にひどかった

ジブリに関しては過去作品数回観直して、考察なんかも読み漁るレベルに好きだし
想像力や読み取る力は人並み程度にある自負はあるんだけど

本作は大事なものが色々抜けてしまっていて、登場人物に感情移入出来ず
「置いてけぼり」を食らうところがものすごく多かった

特に
2人の旅が始まって次の街に入るシーン
壮大な音楽と、神作画の街の風景が映し出されるんだけど
それに至る動機がふんわりしたまま進んでしまうため、「ジブリっぽいけどなんか感動はしない」

似た構成で言うと、
もののけ姫でアシタカがカヤに別れを告げて村を出て
アシタカせっ記って名曲が流れながら綺麗な朝焼けの風景が映し出されるってシーンがあるんだけど
これは理不尽に村を出ないといけなくなったアシタカの葛藤とか、これから受けた呪いをどうにかしようとする決意とか
そういうバックボーン的なものがあるからこそ感動するワンシーンであって
ゲド戦記はそういう後ろにあるものの描写が足りてなかったり、ふんわりしているところが多数あったように感じる

加えて
アレンとテルーの間の絆的なところも
もともとテルーはアレンのことものすごく嫌悪感を持っていたはずなのに
テルーが歌っているところをアレンが観る
→歌い終わったら隣同士座って仲良く話してる
みたいに感情のスイッチがいきなり切り替わる感じで置いていかれる

あれこれ調べたところ
原作は世界的なファンタジー作品で、原作自体はもっとボリュームがあるようだから
足りてない表現があるってことは100歩譲って理解したとしても
物語として色んなものがふんわりしたまま強行突破でいつのまにか終わるから酷評されるのは割と納得

実際宮崎駿がもともと原作ファンだったけど
原作者はアニメ映画に乗り気じゃなかった

しばらく経ってから
原作者「ジブリなら方向性一緒だしやっていいよ」
宮崎駿「もっと早く言ってくれてたらやったけど今ハウル忙しいわ」
プロデューサー「でもジブリでやりたい」
って感じで全くの素人だった息子がやることになった
とう流れもあって

正直色々しょっぱい感じだった
オ