水曜日

ゲド戦記の水曜日のネタバレレビュー・内容・結末

ゲド戦記(2006年製作の映画)
1.3

このレビューはネタバレを含みます

魔法が信じられなくなる時代とか、感染症、作物の不作、世界のバランスが崩れているとか、麻薬が蔓延してるとか、龍が地上に降りてきたとか、王子と奴隷とか、いろんなものをちりばめたかと思いきや、人間は世界の均衡を崩してはいけないなんてありきたりな話で片付けてしまう。

テルーはアレンに助けてもらっておきながら、なんでそんなにアレンを嫌うの?って感想を抱かざるを得ない。
かと思えばいきなり歌歌い出して、アレンがなぜか感動しちゃって親友になるって展開についていけない。

アレンの精神がラスト手前まで低空飛行を続けるのも面白くないし、説明は父殺しのエピソードしかない。こっちはなんで父を殺したかが知りたいんだよ!

テルーが城に乗り込んだら、急に「命こそ一番大事!」って話になっちゃって、テルーの30秒の説得でアレンが急に元気に主人公っぽさを発揮するのもしっくりこない。

敵の小物っぷり、人数の少なさ、規模の小ささに、心が萎え萎え。本気でハイタカとらえたいんだったら、もっと人数用意しろよ!常にリーダーっぽいやつが前線に出てくるのもおかしいだろ!

アレンが剣を抜けるようになるのはテルーとハイタカとの交流を通して、序盤に見られた自暴自棄な死の受け入れ方から、地に足のついた生と死の理解というのを得て魔法を使う資格を得たということなんだろうけど、学びがずいぶんと言葉だけに頼りすぎてて、共感できないから全然感動しない。

人質になってたテルーがいきなり龍と化すのも納得いかない。捨て子って話しかなかったじゃん!!


この映画は監督の吾郎によせて、「まずは父親(宮崎駿)を殺してやるぜ!」だけどそのあと「どう歩んでいけばいいか分からなくなりました。」でも最後には「いろいろ思うことはあるけど元気だして頑張りたいと思います!」って話として捉えるってことでいいんじゃないかと思ってます。

もっと主題を固めつつ、宮崎駿を見習ってエンタメ性を発揮して欲しかった。これは子供が寝ちゃう
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