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新東京行進曲のleylaのレビュー・感想・評価

新東京行進曲(1953年製作の映画)
3.8
雑誌「平凡」に掲載された原作を川島雄三監督が映画化。東京の復興アピールなのかと思うぐらい、昭和28年の東京の風景や世相が描かれてます。

冒頭で本物の東京都知事が登場する大胆な演出。当時の流行歌ともタイアップされていて、ラストに歌手がタイトル曲を歌う演出も。

銀座の泰明小学校を卒業した6人と教師のその後を、新聞記者の真砂(まさご)を中心に描く群像劇。泰明小学校はアルマーニの制服で話題になってましたっけ。

ロマンス、汚職事件、ボクサーの世界戦、教師との再会、子供時代の回想など、盛りだくさんのエピソードがテンポよくうまく絡んでいくのは名人芸のよう。「自分に嘘をつくな」と子供たちに教えた教師の行く末のエピソードがよかった。

「ミス職場」というミスコンがあったり、女性記者が活躍したり、戦後8年の東京は女性も少しずつ社会進出していることがわかります。

主役の高橋貞二さん、他の作品でもちらほら観てたけど今作でファンになりました。調べたら33歳でお亡くなりになったのにすごい作品数。飄々とテンポよく喋る姿がよかったです。
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