小林旭も十朱幸代も主演級の風格が全く感じられないのに目を瞑れば中々良いメロドラマ演出が感じられる。
小林旭が帰り支度をしている十朱幸代に声をかけると、十朱と牧紀子の切り返しが絶妙なタイミングでおこなわれる。ふたりの女の心情の機微をこれだけで語れる尊ぶべき職人芸。
上階から洗濯干し機?を小林旭にぶつけるのが結構体張ってて面白い。間髪入れずに車を突っ込ませるのも上々。
日活ムードお得意のモヤモヤした画面はかなり嫌。今で言うキラキラ映画のようなものだったのだろうか…。
梶芽衣子の凡ぶりも悲しい。これより二年前の『夜霧よ今夜も有難う』ではもっと美しかったと思うのだが。