shizuho

アメリカン・サイコのshizuhoのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
4.5
80年代のニューヨーク。エリートサラリーマン。
観たのは十数年前だったか…大好きな映画とだけ記憶していた。

去年公開されたシェイムを観に行った時、セックス依存症でニューヨークのエリートサラリーマンである主人公が、このアメリカンサイコの主人公ベイトマンの20年後という解説があったので思い出してみたが内容までは覚えていなかったのでまた観てみようと思ってた。

で、やっぱり面白い。

これは都会人の“無関心”に対する風刺、ブラックコメディだけど、流行に乗っかったのっぺらぼうのサラリーマンということでもあるのかな。ブランドを競ってはいても人から見たら皆同じような高級マンションに住みいい服を着て似たような名刺を持ち似たような女をつれてる。関心を持って見たとしてもなかなか区別がつかないかも。

現にベイトマンのアブノーマルなセックスや結局のところポール以外の殺人は妄想だった説があるのもそうした個性のなさ(型にハマった価値観)が産んだ反発だっただろうし。

で、これは単なる妄想オチではないと私は思うけど、かといって猟奇的な殺人が全て現実だったということでもなく、ベイトマンの脳内イメージを描くと猟奇的大量殺人ということになるのかな。

これが妄想オチなら三流サスペンスって感じだし、妄想じゃない方が人の無関心さが際立ちそこに対する痛烈な皮肉としてブラック度が増すので、やっぱり妄想じゃないと私は思う。
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