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アメリカン・サイコのたのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

こういう終わり方の映画って大好き。
怖い映画。でも怖いのは主人公がイカれた猟奇殺人鬼だからじゃなくて、この世界に「個性」が全く存在しないから。
この話の主人公はベイトマンだったけど、彼から殺人衝動を除いてしまえば他の色んなキャラクターたちと何の違いもない、没個性なマネキンになってしまう。

この世界にいる主な生き物は、高級スーツを身に纏い髪をジェルでセットしたエリート白人男性か、見た目はいいけどあまり賢くない金髪美女か、日常のケア要因の黒人か、言葉は通じないけど働き者のアジア人。
それぞれ、当時のアメリカのステレオタイプをそのまま人間にしたような人物だけで構成されている。

彼らは全員同じ存在だから、名前なんていうのは大して重要じゃない。だから作中でもベイトマンがアパートに連れて行った女性たちは適当に名前をつけられ、ベイトマン本人や他のキャラクターも何度も名前を間違えられる。

怖いよね。あなたは誰でもないし誰でもいいなんて。

後半の手当たり次第に撃ち殺すシーンは、清々しすぎてむしろ面白くなっちゃった。
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