すばる

アメリカン・サイコのすばるのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
時おり声が出なくなるほど大爆笑。

笑いあり、サスペンスあり、風刺あり、若干エログロホラーあり、とバラエティに富んでいます。

主演のクリスチャン・ベイルのキレキレの演技と、身体づくり、素晴らしいです。
怖いのは、こんなに迫真の演技と役づくりでイカレた殺人鬼を演じているのに、主人公が全く怖くないことです。怖くないように撮ってる。
(その鍛えた腹筋すら皮肉に使われるのを分かっててトレーニングできるベイルすごい)
この映画でより怖いのは、すぐ目の前に明らかに死体入りのバッグがあるのに、そのバッグどこのブランド〜?と聞けちゃう無関心な人びと。彼らも主人公同様に鼻持ちならない自己愛者ですが、無関心は人殺しよりもイカレていました。
最初は何も感じなかった「名前を間違われる」という些細な出来事が、繰り返されるたび薄ら寒くなってくる。

主人公の狂気は段々と高まり、終盤清々しく大爆発してますが、それすらアッサリ無視されて、こちらまで現実か妄想か分からなくなるほど。
自己愛者たちの社会そのものが「サイコ」でした。

ものすごく深い作品だったような、単にダラダラした話だったような気もする不思議な映画でした


…とか、難しい感想は置いといて、あの名刺のシーン最高。フルティンチェーンソー最高。
ビデオ返しに行かなきゃ。
すばる

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