スーパーボンボクラEX

アメリカン・サイコのスーパーボンボクラEXのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

何回観てもすごい良い映画でヤンス。

自分と社会の停滞感。
金がものを言う世界、ウォール街。エリート一族で将来は安泰。本当は何も楽しくはない。"楽しいと感じるようになのため"か、ある意味で不自由な世界を自分を殺さずに生きていくためのルールとしてなのか、身体を鍛えて音楽を聴く。スーツを仕立てて、フォントをチョイスする。世界を動かすような大きな街ですごく小さな世界で背比べをする。

誰も彼も利己的で結局のところ、誰も自分を見てないから、刺激を求めて楽しむためにそこら辺の無価値に感じる人間を殺してみる。何回もしてると麻痺していく。
ふと視野が広くなる出来事があるとハッとさせられて、自分のしている事の大きさに気づいた時、自分はそんなことが出来るような器の人間でもなんでもなかった様な、気がする。

もうどうにも逃げ出したくて、許して欲しくて、距離の近い人間に全てを打ち明けるがまともに取り合ってくれない。ただただ絶望する。

どんなに近い肉親だとしても社会というのは自分がどうなろうと知ったことじゃない。
麻痺するほどの社会的幸せを手に入れると、誰の気持ちも考えなくなるように、ずっと不幸せな時も誰の気持ちも考えなくなる。

うまく社会に馴染めない。馴染みたいようで馴染まない。飽き飽きしていて誰もが抱える孤独に拍車が掛かるような状況になった時、こうなるのかもしれないって思わされるような感じがする。

・翻訳が酷いけどなんか馴染んでくる。
・ジョーカーに通ずるものがあるけど、ジョーカーよりも鮮明で描いてる気がする。


手前で観ておくとウォール街がどんなところか分かる!↓
・ウルフオブウォール・ストリート