MinaMi

アメリカン・サイコのMinaMiのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
2.6
前半はNYのエリートサラリーマンを皮肉ったようなブラックユーモアと、悪趣味でグロテスクな殺戮エンタメの連続。
サイコパスが今ほど一般的な認識ではなかった2000年当時には衝撃的だったかもしれないが、今観ると笑えるB級映画だなぁという印象。それで終わるかと思いきや、後半の転調が凄い。
イカれっぷりが炸裂して爽快なくらいに殺しまくって警察に追われ、流石に観念した後、主人公と観客は混乱に襲われる。
罪を告白しても誰も殺人犯の話を信じない。
確かに思い返すと随所に違和感があった。なぜ婚約者は彼の犯罪に気付かないのか?なにかを言おうとした浮気相手は結局なにも言わなかったのはなぜか?
そして、外見のよく似たサラリーマンたちは名前を平気で間違えていた。
アメリカンサイコとは、アメリカ人のとあるサイコの物語ではなく、サイコのアメリカの物語。
この映画が表現するアメリカでは、サイコになりきるしか生きる術はない。周りも自分にしか興味がなく、自分にとっての不都合は見過ごす。サイコパスに優しいアメリカの正義。
クリスチャン・ベイルの美しさと狂気の演技がいい。ジョジョ4部の吉良吉影の元ネタの一つではないかと思っている。

・脚本 4/10
・演技 6/10
・演出 6/10
・音楽 5/10
総合点 21/40
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