【なんとなくベイシンガー】
某ツタヤの棚で見つけたので。名画座かビデオかでみたはずなんですが、中身の記憶がまるでない…。肝心のキム・ベイシンガー(略してキム姐)のセクシー・ショットすら、どんなんだったか忘れていたので、思い出そうと借りてみました。
キム姐は『ナインハーフ』と『バットマン』の間で、最強の頃ですね。相手役ジェフ・ブリッジスも男盛りだしシャープなんですが、二人ともあまり精彩がなく、全体、なんとも気の抜けた感じです。
ロバート・ベントンは『クレイマー、クレイマー』しかみてませんが、こうした小洒落たコメディは、資質として合わないんじゃないかな?端正に撮っていますが、この世界観に合ったリズムが伝わって来ない。
また舞台は50年代ですが、そうでないといけない理由がわからない。出だしは面白かったんですが。
1954年のテキサス州オースティン。キム姐演じる人妻が、プレイボーイ誌に顔がきくというカメラマンに口説かれその気になり、芸術(=ヌード)写真を撮ってしまうんですが、心変わりして、スタジオにネガを返してもらいに行くってイントロ。
マリリン・モンローで始まるプレイボーイ誌の創刊が1953年。その後、隣のお姉さん的魅力のプレイメイトが毎月、輩出されますが、田舎町でくすぶり、内心私だってまだまだ…と思っている美人妻が、プレイメイトという餌につい惹かれる、という感じはリアルだと思う。だからPB誌を表に出すなら時代設定も生きたと思うけど、それがない。
その後、スタジオで起きる大事件に巻き込まれる、という展開ですが、ありきたりのお話なので、演出が冴えないとキツイです、み続けるの。
せっかくキム姐のお宝写真というネタがあるのだから、例えば、心の離れた夫が、写真の存在を知って写真の中の妻に執着してしまい、その行方を追って二転三転、やがて妻への気持ちも変わり…みたいな、少しは捻ったお話がみたかった。
お宝写真は忘れた頃にポロリと現れ、もうその時では、どっちつかずの存在になり浮いてしまっています。
まあ、なんとなくキム姐を眺めている分には、ほどほどに眼福です。あと叫び声がいいんですよ(笑)。『バットマン』でも凄くよかったから、本人の地声っぽいですね。絶叫美人。これ、癒しになります(笑)。
<2013.5.26記>