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カラーパープルのchaooonのレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
4.0
現在公開中のミュージカル版の前に数年ぶりに再鑑賞💜

ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説をスピルバーグが映画化🎬
ウーピー主演で黒人差別・女性蔑視をテーマに描く重く辛い内容、という大まかな全体像は残りつつ、細かいところは忘れていて…だからと言ってそこまで悲惨な映画だったという感覚もなくて、見直してもやっぱりその感想は変わらなかった🥹

作品の本質は差別や抑圧からの解放を鮮やかに描く人間ドラマ😭
主人公セリーが夫となるミスターに虐げられながらも、どこかユーモアのあるやりとりがあったり、全体的にもどんよりしすぎない映画運び!
これを書いてる時点でミュージカル版を既に観ているのだけど、登場人物たちのキャラクター性の描き出し方やドラマ部分の演出や見せ方も圧倒的にこちらの方が素晴らしくて、でさすがスピルバーグであり彼の作る映画はやっぱり面白いと改めて思ってしまった😌

エンタメ作品だけでなく社会派ドラマも撮れることを世に知らしめたスピルバーグの転換期にもなる作品。
さぞ当時の賞レース総なめとかしたことだろうと思ったけど、アカデミー賞10部門ノミネートしながらも色んな批判を浴び無冠となった作品というからまたびっくり🤔

今作が鮮烈な映画デビューを果たしたウーピーの存在感が凄い🥹
さすが若いし、ほっそりしていて全然イメージが違う😳
ミスターと結婚して最初の数年、虐げられてはいてもどこかまだ少女のような無垢さ、恥ずかしがりながら笑う顔がとても印象的。
父親に醜いと言われ育ったセリーがそのコンプレックスから口元を覆い隠して笑う姿、私も同じ経験があるのでなんか胸がギュっとした🥺
そこから年月を重ね、ソフィアやシュグといった強い女性たち、妹への想いやミスターへの怒りによって変わっていくセリーの姿も素晴らしかった✨
「I’m Here!」の台詞が際立つ😭!!!!(この台詞がミュージカル版の歌に昇華するの胸熱過ぎる😭)
喪服に赤い靴を合わせる姿もカッコよかったな❤️

若いといえばミスター役のダニー・グローヴァーがまた若くて最初わからなかった😳
このミスターがとにかく酷いやつではあるんだけど、グローヴァーが演じる彼はどこか愛嬌があるし、前述したスピルバーグの作り出すユーモアが効いててなんか人としてちゃんと見れるというか(表現が難しい)憎いたらしいけど、憎み切れない。
あと、シュッとしたローレンス・フィッシュバーンもちょっと登場😋

そしてオプラ・ウィンフリー演じるソフィアのパートが印象的😭
登場シーンから勝ち気だったソフィアがすっかり変わり果ててしまった姿を再び見せるシーンのショッキングさ😭
黒人差別の描き方もこちらの方が辛辣さが際立ってるし、ソフィアパートは圧倒的にスピルバーグ版の方が心に刺さったなあ…😭

歌手であるシュグの歌のシーンや、教会音楽、ネティの手紙から思い浮かべるアフリカの情景と生活音のリンク、物語の端々にミュージカルの素養が既にあって、映画を彩る音楽たちにも心が浮き立った🎶✨
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