ゆかち

カラーパープルのゆかちのレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
4.0
始まりから胸糞すぎて、しばらく全然身が入らなかった~☹
なんなんだよあの男共。でも男共もまた、この時代に産まれ育ってしまった被害者なのです。
黒人というだけで白人からの誹謗中傷がたくさんあっただろうからね。
だからといって、なぜこんな酷いことが…(ρ_;)


主人公セリー、14歳でお嫁入り。
嫁に行く前、父親との子供を2回産まされている。
そこへミスターという男が「あなたの娘さんが可愛い、嫁にくれ」とやって来る。
そう言って狙われたのはセリーの妹ネティ。
ロリコンとかそういう言葉を超えて気持ち悪すぎる。

父は、ネティはダメ、姉の方は2回出産してて処女じゃないがあげるよと言って年の離れた男のもはや性欲処理や身の回りの世話のための嫁入りを許可。
二人のやり取りから何からもうすべてが気持ち悪すぎる。

まじで冒頭胸糞。言うこと聞かないと暴力振るうし。

ネティはキモすぎる父親に迫られ姉の元に逃亡してきたが、ミスターに襲われそうになる。手を出しきれなかったミスターは激怒し、ネティの追い出しを決行。引き離される姉妹。

とんでもなく演技のうまい俳優陣のおかげで緊迫感が凄いのです。
この引き離されるシーン、体当たりすぎる。
絶対に離さないセリー、絶対に離れないネティ、絶対に離そうとするミスター。
三人の白熱した演技に心臓バクバク。

このシーンは様々な角度から何度も何度も撮っているらしい。こんなに凄まじい演技を何度も要求されて持続できるのって本当に凄すぎると思う。
原作者さんもとても素敵な方で映画にするに当たり、スピルバーグもしっかりオーディションされて選ばれたみたいです☻
原作が人気だとプレッシャーも重圧だし、削る箇所を選定するのも本当に大変なことだと思うけれど、私にはとても分かりやすく、1本の映画で喜怒哀楽を怒涛に体験できる疲労困憊な作品に仕上がっておりました。(とても褒めている)

この時代では当たり前だった女性差別や黒人差別は胸糞すぎるけれど、もちろんそれだけではありません。
セリーの成長や心の変化を繊細に表現しています。
表情や少しの仕草でもそれを感じられるのは、始まりが辛すぎたからなのかな。

もしかしたら些細な心情に気付けるのは極一部の方だけかもしれません。
汲み取り方を間違えることもあるかもしれない。
現に私はこういう意図かな?と思っていたことが、まさかの全然違う意味合いが含まれていて驚きました。

映画全般に言えることだけれど、監督の伝えたいこと、原作の意味することを万人にそのまま感じさせることって本当に難しいと思う。
みんないろんな考え方を持ってるもんね。
そんな中、それぞれが自分なりに解釈していく訳だけれども…今作も悲しみや辛さはザックリ伝わるとして、細かい心情は色々な捉え方ができるなぁと改めて「映画」の面白さに気付かされたのでした。

セリーが進んだ未来、人生を諦めなければその先に光がある。絶望には終わりがある!前向きな気持ちと共に、たくさんの感情を与えてくれる作品でした(⁎ᵕᴗᵕ⁎)
ゆかち

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