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15ミニッツのRのネタバレレビュー・内容・結末

15ミニッツ(2001年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2001年の洋画作品。

監督は「2 days トゥー・デイズ」のジョン・ハーツフェルド。

話は、ある日ニューヨークにやってきたチェコ人とロシア人の二人組が殺人事件を起こす。殺人課の有能刑事、エディ・フレミング(ロバート・デ・ニーロ「ハンズ・オブ・ストーン」)は若手消防局員、ジョーディ(エドワード・バーンズ「崖っぷちの男」)と共に捜査を開始するが…というもの。

午後ローで鑑賞。観ていて、気付いたけど、これ2回目だ。

午後ローのデニーロ枠ということで、なんとなーく見始めたけど、これめっちゃ面白いわ。

話は刑事と消防局員のバディものとしても普通に観れるんだけど、やはり今作の肝であり、軸として展開するチェコ人のエミル(カレル・ローデン「バトル・フィールド」)とロシア人のウルグ(オレッグ・タクタロフ「エクスペンダブルズ・ゲーム」)の二人組の成り上がりっぷりがすごい。

冒頭、入国審査のシーンでツッコミのエミルとボケのウルグの妙な掛け合いが微笑ましく感じたのもつかの間、どうやら過去にやらかした犯罪の分け前を巡って短絡的に殺人を犯す2人。

その後も何も考えずに第1の殺人をきっかけに犯罪を繰り返すわけなんだけど、すごいのが映画を撮りたいウルグが盗んだビデオカメラを使って、エミルの殺人からその後の行動の一部始終を映画として撮っていること。

その中で劇中、別件でフレミングが逮捕した殺人犯が自身の殺人を描いた著書で有名になったことを知ったことをきっかけにこの映画を世に出してのし上がろうと計画するんだけど

まぁ、そんな上手いこといくわけないと思っていたのに、あれよあれよというまに本当に有言実行してしまうから恐ろしい。

それこそ、冒頭で微笑ましいでこぼこっぷりと短絡的な姿でナメて見ていたこっちとしては鈍い野望を持って、本当に有名になっていく様が、なんか上手くいきすぎていて、気持ちが悪かった。

それが、2人の(主にエミルの)策略によってなのか、ニューヨークという場所柄なのかも含めて…。

しかも、そんな「ナメて見ていた」2人がまさか本作の主人公であるフレミングを手にかけてしまうとは…。

主人公が途中退場する映画は数あれど、今作の主人公の退場は初めて観た時は予感こそすれ、本当になるとは思わなかった。こういうのにありがちな実は生きていました!設定もなく、本当に退場するとは…。

結構、ショッキング。

その後のエミルとウルグはそう長いこと上手くいくはずもなく、天誅が下されるわけだが、その後味は決して甘いハッピーエンドではなく、苦い。

結局のところ、ラストシーンのウルグの悪役としても1人の映画監督としても見事すぎる最後を見る限り、今作の本当の主人公はフレミングでもジョーディでもなく、エミルとウルグだったんだと気付かされる。

メディアに対する問題提起という視点からも、充分現代に通じる作品(多分、たくさんあると思うけど、今のSNSを導入した感じで撮り直しても面白くなりそう)だとも思った。

劇中のエミルやウルグのようにナメて見ると痛い目を見る(映画面白いってこと!)。
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