とんぺい

DISTANCE/ディスタンスのとんぺいのレビュー・感想・評価

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)
4.3
カルト教団「真理の箱舟」が無差別殺人を起こし、その5人の実行犯が教団の手で殺害され、教祖も自殺した事件から3年後の夏の話。

遺族という言葉を聞くと大抵は被害者遺族を連想するが、今回は加害者遺族に焦点を当てている。

宗教の問題は物凄く難しい。こっちがどう思ってようが、その人が信じているものを批判する権利は他人にはない。だが、日本人は宗教問題には敏感である。宗教と聞くと多くの人はあの団体を思い出してしまうからだ。

この作品も一目で是枝作品と分かるほど、物凄く独特の雰囲気が流れている。自然体で自分もあの中にいるような感覚にさせられる。
加害者家族は、被害者なのか加害者なのかという言葉を目にしたが、加害者家族として心の中に一生罪を背負わなければいけなくなった被害者なのだろう。

井浦新演じる敦の謎が明かされるラストが物凄く悲しく、もう一度最初から観たくなった。

2018.8.18.248本目