シネマスカイウォーカー

ロッキー2のシネマスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ロッキー2(1979年製作の映画)
4.3
ブルーなニューシネマ時代にピリオドを打ちアカデミー賞に輝いた『ロッキー』。その続編としてスタローンが監督兼主演を務めることになった作品。

フィラデルフィアの貧困地域と小さな幸せのようなニューシネマ的な要素で淡々とした人間ドラマのシーンが中心的だった前作と比べ、トレーニングシーンも多く前作よりもスポコン要素が強めになっている。みんなで走るシーンや鶏を捕まえるシーン、ロッキーがCM撮影をするなどエンタメ要素も強くなり、フラットに楽しめるようになったことは個人的には良い方向だったのではないかと思う。
何より、「最後に負ける」というのがとてもニューシネマ的だったのに対して「最後に勝つ」今作はアメリカンドームとサクセスストーリーの要素を強く表現しているように感じた。


エイドリアンに「私の頼みを聞いてくれる?」と聞かれた「何でもするよ」とボクシングすらやめる決意でいたロッキーに対して「勝って」と言うエイドリアン。そこから家族の為に勝つという目標を胸にトレーニングをしていくシーンは本当に最高。
トレーニングシーンは前作よりも多く、鶏を捕まえるトレーニングや街の子供たちと戦うシーンなどは格段に良くなっている。ロッキーを支えるミッキーの愛情も泣けるものがある。ロッキーのトレーニングから結婚式まで、なんとも言えない表情のミッキーには涙する。

今作で結婚するロッキーのエイドリアンに対する一途な愛情にもグッとくる。エイドリアンの為に定職に就こうとしたり働かせる訳にはいかない。「like you」あなたのようにとあなたが好きのダブルミーニングになっている?シーンも良い。