鹿shika

ロッキー2の鹿shikaのレビュー・感想・評価

ロッキー2(1979年製作の映画)
5.0

死闘の結果、アポロに判定負けするも、全米でヒーローとなったロッキー。CMの契約もし、一気にセレブの世界へ行くも、契約を切られ一文無しに。一方アポロは勝てたのは八百長だと言われてしまい、再び2人は死闘を繰り広げる。

もちろん“ロッキーシリーズ”は全作品大好きなのだが、特にこの『ロッキー2』が好きなのだ。
今作は、絵に描いたように調子に乗るロッキーが描かれるのだが↓
CMの台詞は覚えられない&恥ずかしくて言えない→ゴネる→契約切られる→一文無し→工場勤務→あっさりクビ→妊婦の嫁も働く→嫁過労で倒れる
ココは今回は、もう見て見ぬふりをする!

『ロッキー2』で見るべきところはトレーナーであるミッキーの成長だ。

「神様の前で怒りたくはないが お前には実力があると叫びたいよ。でもチャンスを捨てる気なら、、それでも良い。俺もつき合おう。
ここに居たいのなら俺も付き合うさ。一緒に祈ろうじゃないか。」

このセリフは、エイドリアンが過労で倒れ、意識不明になっている際、
ロッキーが1人、教会の椅子に座っている時に来たミッキーがいうセリフだ。
このセリフは間違いなく、今作を代表するくらいの人生の名言だ。
しかし、この前に彼はこんなことを言う。

「45分間戦うためには、4万5000分の練習が必要だ」

「一言だけ言わせてくれ、2度は言わん。
世界最強の男と、殴り合わなきゃならん。まさか忘れちゃいないだろうが、試合は目前に迫っている。
なのに完璧とは言えん。この辺でどうだ。立ち上がって前回のように悠々しく戦ってみんか!
彼の前でそんな野良犬のように座るのか!?」

彼はいつものように、初め ロッキーに喝を入れにいく。
”ボクシングに、家庭の事情を持ってくるな”などと、練習中に耳にタコができるほど言ってくる。
そんな言葉たちによ理、彼のボクシングへの情熱がビシビシと伝わる。

そんな彼が、会話をせずに、ロッキーの表情だけを見て、考え方を変えた瞬間に鳥肌が立った。
私がこの映画を 学生の頃に見た時は、妻子のために奮闘するロッキーにしか目が行かなかったのだが、それは今見るとありきたりかもしれない。

もう一度言うが 今作で素晴らしいのは、トレーナーミッキーの心の成長だ。
大前提に、ミッキーは補聴器をしているくらいの年齢だ。きっと80歳を越えているだろう。
そんな年齢から、声の無い 人の感情に耳を傾け、何十年と貫いてきた考え方を 見直すことができるのだ。という、強いメッセージを感じることができた。
夢のために真っ直ぐ吸収する若者ではなく、
年を重ねても尚、人生を成長させることができるのだ。

そして試合直前、入場前「もし試合に負けてもあんたのために頑張るよ」
そしてセンキューと肩パンをするのだが、
私がコーチだったら膝から崩れ落ちるほど嬉しいセリフだ。

この時、ロッキーはエイドリアンのことよりも、
ミッキーだけに言っていた気がして、それが何より好きなのだ。
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