アキ・カウリスマキ監督の“敗者三部作”第三作
ストーリー
ヘルシンキの百貨店で夜間警備員を務める冴えない男コイスティネンは、魅力的な女性ミルヤと出会う。しかしミルヤは、百貨店強盗をもくろむ悪党リンドストロンの手先だった。
主演 ヤンネ・ヒューティアイネン
監督 アキ・カウリスマキ
敗者三部作完結編
三作品で比べるとド直球。
流動的に物語の中に様々な思惑がみて取れる
何を意図してこの物語なのか?それはとても難しいが、イニシェリン島の精霊に近い匂いがした。
この作品の面白いところは、コイスティネンというキャラクターに全幅の信頼を置いているアキ監督だ。
このキャラクターの独壇場なのだが、表情や仕草がこれまでに比べて読み取りづらい。
その代わりに小物やサブキャラクターにより物語を進行させているのだが、わざわざこのキャラクターにしたのは何故なのだろう?
アキ監督自身を反映させた、または知り合いにいたからなのか。
とても不思議なキャラクターでこんなに面白いアキワールドなのに君はそんなに無表情なんだい?と問い詰めたくすらなる。
もしかしたらそれが意図する所なのかもしれないが。
この敗者三部作はどれも魅力的ではあったが、個人的にオススメは"浮き雲"である。