路々

ナイト・オン・ザ・プラネットの路々のレビュー・感想・評価

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24.02.22 07

とてつもなくよかった。
一番好きだったのはParisの話。

どの話においてもマイノリティが描かれており、それは典型を逃れ、生きている主体として描かれる。
女性、アフリカ人、障害者(盲者)に向けられる視線が、会話の中で修正されていくのがとてもよい。
緊張感がありつつも、どこか完全な断絶へは向かわないことがわかる安心感もある言い合いはずっと見ていられるし、音としても心地よく、何度でも見たくなる。


Helsinkiにおいて、ミカの話に涙する男二人に対して、酔っ払って寝ているアキは少し微笑んだり口を開けアホなツラをしていたりする、それらが同じ画面に収まっているのがなんだかおもしろくって、そういう画が撮れるのもすごいなぁと。
ハイっぽいRomeのタクシードライバーによる「天才ホテル」の妄想も大好きだった。
ジャームッシュのユーモアの感覚が、かなり私にあっているのだろうな。
路々

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