さかな

ナイト・オン・ザ・プラネットのさかなのレビュー・感想・評価

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5部構成のオムニバス
ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ、それぞれで同時に起きているタクシー運転手と乗客のやり取りが描かれた映画

ジム・ジャームッシュらしくゆる〜い会話とタバコ
オチがあるわけじゃないしハッキリとした盛り上がりがあるわけじゃないけど、凄くそれが自然で好き。
他人の人生の、なんでもない一幕を観ているような感覚になる
簡単に言ってしまえば「日常を描いている」なのかもしれないけど、それだけでこの良さは表現できないなぁと思う
こういう描き方やコンセプトの映画ってこの監督の作品以外にあるんだろうか...?

あと一緒に観た人が気づいていたんだけど、
タクシーという以外に、5つの話全てに「マイノリティ」「サングラス」が関係してくる
1つ目の話はエンジニアを目指す女性ドライバー、
2つ目の話は移民と黒人、
3つ目は黒人と盲人、
4つ目は性的嗜好のマイノリティとドラァグクイーン、
5つ目は...もう一回観て考えたいなぁ
これをこの時代に隠れたコンセプトとしていたのなら本当に価値のあることだと思う

全体的な雰囲気はコーヒーアンドシガレッツとほぼ同じかな
こういうの観るときつくづく思うんだけど絶対字幕じゃなくて直接英語を聞いた方が楽しいんだろうなぁ
釘付けになってみるより、それこそ飲み物とかスマホとか片手に、映画を見るんじゃなくて「感じ」たいと思った
さかな

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