ハンダゴテゴテ

ヤコペッティのさらばアフリカのハンダゴテゴテのレビュー・感想・評価

4.8
ヤコペッティはドキュメンタリー作家としては自分の作為とセンセーショナリズムに飲まれきってて完全に失格だと思うけど、「俺にはこう見えるんだ!!」を貫く姿勢とか、素材を如何に繋いで主張、テーマを分かりやすく、かつ強烈に印象づけて表現するか、っていう映画屋としての能力はピカイチだと思う。
やらせドキュメンタリーとしてみてても、画や演出(敢えてこう言うけど)の力強さにぐっと惹き込まれる。地獄の黙示録みたいな輸送されるシマウマの画とか、さっきまでウホウホやってた原住民がカメラ回ってないとこでめちゃくちゃバンドやり始めるメタ映画みたいなシーン(自己言及してるんだとしたらめちゃくちゃカッコイイ)とか、オッ!!って思う場面が多すぎる。
やっぱ上手い嘘つきは嘘とホントの配分が非常に巧妙ですね。

現代においては見る側のリテラシーが前提として必須になるけど、なんかもっと普通に「映画」として評価されていいと思うんだけどな。さすがに人死んでるから厳しいか。