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パリ、テキサスのNのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.4
テキサス州のカラッとした広大な砂漠や、弟夫婦の家からみえるサッパリとした街並み、マジックミラー越しの妻との対話シーン等、絵的にはどのシーンも素晴らしく印象的で惹きつけられる。

バックの音楽もばっちりハマっていて映画全体に張り詰める空気感もとても良かったです。

ただストーリーについてはどうしても納得しきれませんでした。若くて美しい妻に溺れて自分を見失って、愛した夫との過去に取り憑かれて、一体いつまで男女でいるつもりなのか。子がいるならまずは父母であるべきではと思ってしまう。そして弟夫婦はこの結末を許せるのでしょうか。

自分と向き合うのも良いけど、どこかで折り合いをつけて目の前の現実と向き合う方が大事ではと、大変野暮なことを思ってしまいました。

心の機微を読み取れるだけの感受性がまだ私には足りてないんだと思います。長い人生で培われるものなのかも。
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