焼きぷりん

パーフェクト ワールドの焼きぷりんのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.5
脱獄犯のブッチは逃走中に押し入った家で、幼い子供のフィリップを人質に取り逃亡する。逃走を続けるブッチとフィリップ。気がつけば二人の間には親子のような、或いは親友のような絆が芽生え始めて…?

悪人でも善人でもない。ブッチは逃げるために結構な罪を犯すけれども、正しく真っ直ぐな心を持ち合わせている。善悪どちらの面もブレることがないので、不安定なのに興味深い人物となっている。そして、この人物像だからこそ、後半フィリップとの絆がより深く感じられる。

ロードムービー。ただの逃避行もフィリップにとっては未知の経験、成長の旅となる。"やりたいことリスト"はベタなんだけれども、大好きな要素。アラスカへの夢も、きっとそこに加わるのだろう。

ラストシーン。これで心が乱されない訳がない。パターンは数あれど、一番綺麗な幕引きじゃないだろうか。このやるせない感じが、後を引く後味の悪さが肝だと思う。

個人的には、ブッチの不完全さが丁度良い塩梅に感じられた。完全に善人であっては、そこまで心に残らない作品になったかも。そういった面を考えると、万人ウケする主人公じゃないし意外と好みが分かれそうだなあ。
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