タクマ

パーフェクト ワールドのタクマのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.2
見たで。傑作。脱獄囚と少年、父を知らぬ歳の差を越えた2人の友情物語であると同時に善悪の境界を越える物を描いてきたイーストウッド監督の心情風景を描いている。哀愁と感動が融合したラストに涙。みんな葛藤を抱えて生きている。自分だけのパーフェクトワールドを求めて。
見たら高確率で感情が動かされるし泣かされる映画でもあるけど踏み込んだら踏み込んだだけイーストウッド監督の人間観がメタ構造になって見えてくる様で面白い映画やなとも思う。
人としてやってる事は悪人だけど見てたらなんだか感情移入もしてしまう主人公。彼が自分の父親に与えられなかった愛情を自分と境遇が似た少年に与え様としつつも結局は同じ過ちを犯す部分は見ていて辛い物があるがそれでも2人が最後の最後まで親子の様な親友の様な時間を過ごそうとした姿に人間の悪性の向こう側にある善性をみて希望を感じる人もいるんじゃ無いでしょうか。イーストウッド監督は一貫して悲しみの先にある生きる信念と魂を描いているんだ。
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