おもち

パーフェクト ワールドのおもちのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.9
色んな父子愛が込められた作品だと思う。
父親からのたった一度の便りを胸に、会いに行こうとするブッチ。
そんなブッチに自分の中の父親像を重ねていくフィリップ。
警官も、ブッチを思い、まるで父親のように守ろうとした。

父親は、特に息子にとって、自我の根幹を担うパーソナリティの一部であり、やがて超えるべき存在なのだという。
ブッチは終盤、フィリップに重大な決断をさせる。抑圧されていたフィリップを解放し、本来父親がするように、自我を与えた。
あの一瞬、どんな形であれ、2人は"本当の父子"になったんだと思う。

父親の居るパーフェクトワールドを求める旅だったけれど、私にとっては、その旅路こそがパーフェクトワールドだった。
泣くけど、不思議とまた観たくなる映画です。
おもち

おもち