百合

キック・アスの百合のレビュー・感想・評価

キック・アス(2010年製作の映画)
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アメコミスーパーヒーローものはヒーローゆえの孤独と葛藤…みたいなシークエンスがウザくて見られないのですが、さすがマシューヴォーン。葛藤とか苦しみとかない。女児だって武器を持つし殴られるしなんなら激強。
「なぜ世の中にスーパーヒーローがいないのかわかった。みんな失いたくないものがあるからだ。」というボイスオーバーが好きでした。ああいう潔癖で純粋な正義ってだからティーンズじゃないと持てないんですよね。革命の理論と同じです。しかもラストではアッサリと(とりあえず)引退してるし。
あとゲイの友達がほしかったの!っていうあの女の子もよかったですね。いるよね優しくて可愛いんだけど絶望的にアホな子。マシューヴォーンの所謂‘ヒロイン’像へのそこはかとない軽蔑が感じられる。
主人公の人物形成もですが、キングスマン二作では悪役の作り込みが本当にしっかりしているイメージがあって、しかし本作品はどの人物にも入れ込めないように作られてて、娯楽に徹するのも大切だよなぁと思います。
ラストのおじさん大虐殺シーンがよかった。このドライブ感こそマシューヴォーンの作風だと思います。
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