片腕マシンボーイ

怪猫 からくり天井の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

怪猫 からくり天井(1958年製作の映画)
3.0
え?中川信夫監督の傑作「亡霊怪猫屋敷」と同じ年の作品なん?そんなことある?思って調べたら……
両作とも1958年、「亡霊怪猫屋敷」は東宝、本作「怪猫 からくり天井」は東映の作品らしい、互いにぶつけて競いあったにしても驚いたニャン

殿様相手に忖度無しでコテンパンに叩きのめす囲碁の師匠又七郎、又七郎はめくら故にズルをしようにもそれすらも許さない!ついに殿様や重臣の怒りを買い、叩き斬られてしまうぞ!それを知った又七郎の母は息子の無念を想い自害、飼い猫の玉簾ちゃんに怨念を託したためにさぁ大変!城中で化け猫ちゃんが大暴れすっぞ!って話

うんどちらも鍋島猫っつ〜怪談話がベースやからば「亡霊怪猫屋敷」とあらすじはほぼ同じすね、「怪猫屋敷」は現代編と絡んだりと脚本が少し複雑やったところと、殿様がまぢ糞キチガイだったことに対し、本作はシンプルな構成と、殿様の座を簒奪しようとする重臣のが殿様より悪党!って違いがありました

あとは演者や演出の違いやけど……正直言えば中川信夫の「亡霊怪猫屋敷」が傑作過ぎて本作はだいぶ霞んで見えてしまったのはいたしかたねぇよなぁ?
「亡霊怪猫屋敷」の影を使ったバトルシーンの面白さとかまぢ最高やったが、本作も猫ババアに操られ殺される侍女のシーンとか巨大なニャンが現れるシーン!悪く無いんやがインパクトに欠けてしまった
あ、でも時代劇なのに協奏曲流れる活劇シーンとかは結構好きやったなぁ

あとね、鍋島騒動になぞらえてんのか?怪猫ちゃんが暴れる向かいでは重臣達の御国簒奪計画が進むんやが、そちらのほうが怪猫ちゃんよりもすぐそこに迫る危機!って感じになってしまっていて、もっと怪猫ちゃんに集中させてくれ!ともなったよねぇ
そいえば月形龍之介の作品なら「水戸黄門漫遊記 怪猫乱舞」なんて作品もあったが、あちらも御国乗っ取り騒動×領域展開怪猫乱舞!な作品やったなぁ、ワンパターン……
別に鍋島騒動になぞらえんでも怪猫ちゃんなんかいくらでも活躍させられんのにねぇ……ニャンニャン

とりあえず殿様の最後の「許してくれよな!」は軽すぎて許すべからず……祟ってくれよう!思ったし、そもそも人間の醜い諍いに巻き込まれたニャンが可哀想で可哀想で……
う〜む、もっとニャンが可哀想くないポップでキュートな怪猫映画をまた撮って欲しいなぁ!そうね……「亡霊怪猫屋敷」vs「怪猫 からくり天井」になぞらえて、蒔田彩珠にゃんバージョン(佐々木勝巳監督)と桜田ひよりにゃんバージョン(宮岡太郎監督)をバチバチに競わせる企画とかどうかなぁ?え……マシンボーイは当然どちらも観に行くぞぉ!ニャンニャン!