ゴン太くん

村八分のゴン太くんのレビュー・感想・評価

村八分(1953年製作の映画)
3.5
カッパ・ブックスだったか何だったか…「50年代」という本を読んでいたら、当時の草の根的なメディアとしてこの映画が紹介されていた。地方ではサークル的な同人文学誌などが人気だったが、異例なものとして映画が広く認知されたこともあるという。これは実際に行なわれていた不正選挙と、それを告発した女子高生に対する村八分を描いたもので、農地でも村八分というのがどういう行動を指すのか、嫌というほど思い知らされる。法に触れぬようじわじわと真綿で首をしめるような、非常に陰湿なものを感じる。劇中では、ある意味で村八分のきっかけを作った新聞記者が喜々と彼女を励ます姿にズッこけるのだが、当時の左翼的なラストシーンも含めて時代性を感じられる名作と思います。