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愛と哀しみの果てのBOBのレビュー・感想・評価

愛と哀しみの果て(1985年製作の映画)
3.8
アフリカで逞しく生きる一人の女性の半生を描いた、シドニー・ポラック監督の伝記ドラマ。

1913年。デンマークの資産家の令嬢がスウェーデンの男爵と便宜上結婚し、英国領ケニアに移住する。様々な困難にあいながらも、現地の人々と交流し、コーヒー農園を経営する。

"Perhaps he knew, as I did not, that the Earth was made round so that we would not see too far down the road."

デンマークの貴婦人によるアフリカ生活回顧録。ストーリーより、画面に映り込むヒトやモノ、その映像美に魅せられた。恋愛ドラマは想像より控えめで、主人公カレンがアフリカで体験した数あるエピソードの一つという位置づけに思えた。

イギリスの上流階級文化×アフリカの大自然。大農園経営、サファリ、社交界、自家用飛行機。イギリス植民地下アフリカの生活や空気感を味わえて、リッチな気分に。

アフリカの雄大な自然と文化を余すところなく映した撮影👏。広野を走る機関車、野生動物でいっぱいのサバンナ、大農園、キクユ族やマサイ族といったアフリカ部族。中でも、飛行シーンは息を飲む美しさだった。百獣の王ライオンとのご対面シーンや、モーツァルトを気に入るお猿さんのシーンも印象的だった。

サファリルックの衣装が素晴らしい。デザイナーは、『グランドブダペストホテル』や『炎のランナー』など、アカデミー賞常連のミレーナ・カノネロ。サファリルックといえば『モガンボ』も格好良かったけど、本作もエレガントで格好良い。

凛とした美しさを見せるメリル・ストリープ。男性社会や部族の常識に疑問を抱き、強くしなやかに生き抜く姿に感銘を受けた。自由人なハンター ロバート・レッドフォードは、着こなし、佇まいが粋。アラフィフという事実は意外。

原作はアイザック・ディネーセンの自叙伝『アフリカの日々』。彼女は自分のお気に入りの作品『バベットの晩餐会』の作者でもあった。

女人禁制のクラブ。女子供はひとまとめ。首長の立場を守るため、子供に読み書きを教えない部族。

🧥サファリルック。サファリジャケット。リネン。

302
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