SEIJISAN

ガンファイターの最後のSEIJISANのレビュー・感想・評価

ガンファイターの最後(1969年製作の映画)
2.0
タイトルでほぼエンディングがわかってしまうけれど、異色の西部劇でした。長年ある町の保安官を務めてきた初老の男。だが、町には馬と並走して自動車や汽車が走り、写真屋さんで撮影なども行える時代。それでも初老の保安官は拳銃で事件を解決する、平たく言えば射殺が基本という犯罪者は逮捕、裁判で法律によって裁かれる時代なのに「変われない男」の悲劇を描く。町の有力者たちはこれからの町の発展を考えると「野蛮な保安官は辞職して欲しい」と考えるが、説得が効かないとなれば...。テーマはとても面白かったのですが、主人公の老保安官がそこまで「時代から外れた男」として描かれてないのが謎。劇中殺した男は皆最初に保安官を殺そうとして返り討ちにあった男達ばかりだったし、後輩の保安官にはめっぽう優しいし...。これが「許されざる者」に出てきた保安官並に「正義の名の下の暴力」を打ち出す男ならもっと面白かったのにな。「人は良い奴なんだが...」というのが無さ過ぎてアメリカン・ニューシネマっぽい終わり方をされても観ている方も困ってしまう。個人的には惜しい作品と感じました。
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