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スター・トレックのSEIJISANのレビュー・感想・評価

スター・トレック(1979年製作の映画)
3.5
TVシリーズ「宇宙大作戦」を再放送で観てました。何故か自分のローカル局で「懐かしの外国テレビドラマ」枠というのが深夜にあった時期があり、そこで「スパイ大作戦」や「逃亡者」、「コンバット!」等々観ました。で、その劇場版。TVシリーズ終了後に何度も映画化を目指して脚本を書きき、パラマウント映画社へ持ち込んだけれどボツの連続。さすがに諦めて再度TVシリーズを始めようと脚本を書きためている時に「スターウォーズ」の大ヒット!急遽パラマウント映画社から「映画化しなさい!」とのご下命。急ぎの仕事なので新しく始める予定だった脚本の内1本を劇場版用に内容のグレードアップをして、スタートした本作。監督は巨匠中の巨匠、ロバート・ワイズ監督。宇宙空間での戦闘シーンよりも「宇宙の持つ広大で人智を超えた神秘」さを全面に押し出しているのがSF映画のお手本みたいでとても良かった。謎が謎を呼ぶ展開で大風呂敷を広げまくった上で、オチも納得がいく素晴らしいオチでした。未知の相手との腹の探り合いや艦長の命令系統や指示の正確さなど、現代の軍艦と同じ感覚で宇宙船エンタープライズ号を操艦するカーク艦長も嫉妬やミスなどをする人間臭いキャラクターが良いですね。その真逆にいるのが冷静沈着で感情に流される事が絶対に無いバルカン星人のミスター・スポック!!何度見てもインパクト大!「スタートレック」は彼無しでは成立しません!レナード・ニモイさん最高!最後にSFというと特殊撮影が時代と共に古く見えてしまうのが宿命ですが、本作はCGの無い時代にセンスだけで勝負しています。見事な美しくて見た事が無い宇宙空間を映像にしていて、全く古く見えない!むしろ新しい!人間ドラマのバランスも優れていて、この後長寿シリーズとなり、更にはリブートされ、TVシリーズも脈々と続く事になる本作をロバート・ワイズ監督が担当したのは本当に幸運だったと思います。ヘタな監督なら一作で終わっていてもおかしくないですからね。
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