佐藤淳

シティ・オブ・エンジェルの佐藤淳のネタバレレビュー・内容・結末

シティ・オブ・エンジェル(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


医者 「精神科の患者だと思はれるわ」
言つた方も言はれた方も悪気は無いだらうが、第三者から見れば辱めである。

神神しい一瞬間は誰の運命にも訪れるのだらう。朝焼けと夕日は其の一瞬間に最も近い一場かも知れない。

天の内に普遍性は有つても、世間に一般化されてはゐない。故に信じる人と信ぜぬ者とに別たれる。

男と女の肌が触れ合ふ時、擦弦の音色は余りにも官能的に心が揺さぶられる。

天使 「君が一番好きなものは?」
僕 「不自然が、愛すると云ふ至上の意志すらも取り除かれた、全き自然の鼓動に身を任せる無上のとき。」

愛されるべき人間かどうかは、愛するべきものを失つて初めて是非が問はれるのかも知れない。

彼が味を教へてくれた洋梨を買ひ込むシーンはグッときた。

僕は瞬間を標題とするものを愛する。
佐藤淳

佐藤淳